辨 |
チョウセンアサガオ属 Datura(曼陀羅 màntuóluó 屬)は、北米南西部~中米に約10-16種が分布する。
D. ceratocaula
ツノミチョウセンアサガオ(オニチョウセンアサガオ) D. ferox 熱帯アメリカ原産
D. innoia(毛曼荼羅) アリゾナ・テキサス・メキシコ産
チョウセンアサガオ D. metal(洋金花・金盤托茘枝・曼荼羅花・白花曼陀羅・南洋金花)
テキサス~コロンビア産 『中国雑草原色図鑑』196
ヤエチョウセンアサガオ 'Floreplena'(D.fastuosa) インド乃至近東・エジプトに分布
ヨウシュチョウセンアサガオ(広義) D. stramonium(D.tatula)
シロバナチョウセンアサガオ f. stramonium(曼陀羅・醉心花・狗核桃)
原産地不明、古くから世界中に分布。『中国本草図録』Ⅱ/0811・『中国雑草原色図鑑』196
トゲナシチョウセンアサガオ var. inermis(D.inermis;無刺曼陀羅)
ヨウシュチョウセンアサガオ(狭義) var. tatula(var.chalybea;紫花曼陀羅)
D. versicolor
ケチョウセンアサガオ(アメリカチョウセンアサガオ) D. wrightii(毛曼陀羅・
軟枝曼荼羅・鳳茄花・串筋花・洋金花・北洋金花)
熱帯アジア原産、一説に北アメリカ原産。アメリカチョウセンアサガオを
D.meteloides とすることがある。『中国本草図録』Ⅴ/2302
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ナス科 Solanaceae(茄 qié 科)については、ナス科を見よ。 |
訓 |
和名にかかわらず、朝鮮半島とは特別の関係は無い。
命名の由来は不明、あるいは韓国から渡来したものかともいう。 |
小野蘭山『本草綱目啓蒙』13(1806)曼陀羅花に、「テウセンアサガホ ヤマナスビ ナンバンアサガホ ハリナスビ豫州 トウナスビ同上 外科コロシ讃州 外科ダウシ伯州石州豫州 天竺ナスビ防州 イガナスビ同上 ギバサウ豊前 チヤメラサウ江戸 キチガヒナスビ石州 アヰス備後 イガナス長州 キアサガホ下総 テウセンタバコ遠州 トウアサガホ バラモンサウ」と。 |
和名・漢名を曼陀羅・曼陀羅花(マンタラカ,màntuóluóhuā,まんだらげ)と呼ぶ植物については、デイコを見よ。 |
属名は、サンスクリット語の dhattura に起源し、直接にはヒンディー名 dhatura から。 |
説 |
インド原産。
日本には 宝永(1704-1711)年間に薬用に輸入され、栽培されたが、その後廃れた。今日では、かえって花の観賞用に植栽されている。沖縄には野生がある。 |
葉・花・種子(曼陀羅子,マンダラシ,mantuoluozi)などにアルカロイドを含み、猛毒。 |
誌 |
中国では、チョウセンアサガオ・ケチョウセンアサガオ・シロバナヨウシュチョウセンアサガオの開いた花を洋金花と呼び、花・葉・種子を、曼陀羅(マンタラ,màntuóluó,まんだら)と呼び、薬用にする。『中薬志Ⅲ』pp.346-351、『中草藥現代研究』Ⅱp.542 |
日本では、文化元年(1804)、花岡青洲(1760-1835)が日本で初めての乳癌手術に当って、全身麻酔に用いた。 |